大会情報
大会名:Athletics Challenge Cup 2022
開催日:2022年10月2日
会 場:デンカビッグスワンスタジアム(新潟市)
レース結果
種 目:女子400m
記 録:54秒21
順 位:2位
備 考:タイムレース方式
( 出典:日本陸上競技連盟 日本グランプリシリーズ 新潟大会「Athletics Challenge Cup 2022」リザルト )
( 出典:Athletics Challenge Cup 2022 公式サイト「リザルト」)
考察①東京から新潟へ――強行日程の中での一戦
このレースを語る上で、前日の文脈を欠かすことはできない。
2022年10月1日(土)、松本は東京・国立競技場で開催された第106回日本陸上競技選手権大会・リレー競技の女子4×400mリレー予選に4走(アンカー)として出場した。チームは3分40秒76で1組2着となり、決勝進出は叶わなかった。
その同日、松本は新潟へと移動したものと推察される。そして翌10月2日(日)、デンカビッグスワンスタジアムのトラックに立ち、女子400mを54秒21で走り切った。
東京から新潟への移動を挟み、翌日の個人400mに出場する。この強行日程は、松本がシーズン終盤においても競技への真摯な向き合いを続けていたことを示している。前日のリレーで悔しさを抱えたまま新潟の地に立ったとすれば、この54秒21という記録には、数字以上の意味があるのではないかと思われる。
考察②54秒21という記録の読み解き
2022年シーズンを通じた松本の主要な記録を並べると、この54秒21の位置づけが見えてくる。
| 大会 | 記録 |
|---|---|
| ブリスベン Track Classic | 53秒57 |
| 日本選手権 予選 | 52秒74 |
| 日本選手権 決勝 | 52秒56(日本歴代4位) |
| 静岡国際 | 53秒49 |
| 全日本実業団 | 53秒66 |
| 東北選手権 | 53秒72 |
| Denka Athletics Challenge Cup | 54秒21 |
前日のリレー出場、同日の長距離移動という条件を踏まえれば、54秒21という記録は決して低い評価を受けるべきものではないと思われる。シーズン終盤の疲労が積み重なった状態、かつ強行日程の翌日にあたるこの条件下で、大きく崩れることなく400mを走り切ったという事実は、松本が長いシーズンを通じて積み上げてきた力の確かさを示しているのではないかと感じられる。
考察③タイムレースという形式と、この大会の性格
Athletics Challenge Cup 2022はタイムレース方式で実施された。他の選手の動向に左右されることなく、自らの走りに集中できるこの形式は、シーズン終盤の調整的な役割を持つ大会としての性格とも合致している。
日本選手権や全日本実業団のような順位や得点を競い合う舞台とは異なり、コンディションの確認とレース感覚の維持が主目的となるこの大会は、強行日程の翌日に臨む一戦としても、身体への要求という点で適切な形式であったとも言えるのではないかと思われる。
考察④この後も続く2022年シーズンへ
この大会の後、松本はさらに2試合のレースに出場し、2022年シーズンを締めくくることになる。
前日のリレーで感じた悔しさ、強行日程の疲労、そして翌日の400m。それらすべてを抱えながらスタートラインに立ち、54秒21を刻んだ。この記録は、華やかなハイライトではないかもしれない。しかし、強行日程の中で走り切ったこの54秒21も、2022年という一年を語る上で欠かすことのできない記録として、このアーカイブに刻んでおきたい。
解説――Athletics Challenge Cup(アスレチックスチャレンジカップ)について】
Athletics Challenge Cup(アスレチックスチャレンジカップ) は、デンカビッグスワンスタジアム(新潟市)を会場として開催される陸上競技大会である。主催は一般財団法人新潟陸上競技協会および株式会社新潟アルビレックスランニングクラブ、共催は新潟県・新潟市・NST新潟総合テレビ、後援は公益財団法人日本陸上競技連盟である。
日本グランプリシリーズの一戦として位置づけられており、ワールドアスレティックス コンチネンタルツアーブロンズ大会としての認定も受けている。グランプリ種目として男女合計20種目が設定されており、国内外のトップアスリートが参加する舞台として定着している。
なお、大会名称はスポンサーの変更に伴い年度によって異なり、2024年時点では「Yogibo Athletics Challenge Cup」の名称で開催されている。
解説:デンカビッグスワンスタジアムについて
デンカビッグスワンスタジアムは、新潟県新潟市の鳥屋野潟(とやのがた)公園内に位置する陸上競技場兼総合スタジアムである。2001年4月に開場。デンカ株式会社(東京都中央区)が施設命名権を取得し、2014年1月より現在の名称となった。
大きなクロスアーチとサブアーチにより構成されるそのフォルムは、スタジアム前面に広がる鳥屋野潟(とやのがた)に飛来する白鳥のイメージと重なり、「ビッグスワン」の愛称で広く親しまれている。
日本海側最大級の規模と機能を持つ総合スタジアムとして高く評価されており、2002年FIFAワールドカップの日本国内開幕戦会場となったことでも広く知られる。国際大会の開催も可能なトラックを有する陸上競技場としての側面も持ち、数多くの競技会が開催されている。
陸上競技のトラックは、2022年9月に全天候舗装の全面改修を経て第1種公認を更新しており、国内トップレベルの競技会を開催できる環境が整っている。
参考資料
日本陸上競技連盟 日本グランプリシリーズ 新潟大会「Athletics Challenge Cup 2022」リザルト
Athletics Challenge Cup 2022 公式サイト「リザルト」
日本陸上競技連盟「日本グランプリシリーズ 新潟大会 Athletics Challenge Cup 2022」大会情報
日本陸上競技連盟 「JAPAN GP SERIES / 日本グランプリシリーズ
新潟陸上競技協会「 Yogibo Athletics Challenge Cup2024」特別協賛 株式会社 Yogibo
※本ブログは、公式記録および関係団体の公式発表、陸上競技専門メディアの公開記事、ならびに信頼性の高い報道・Web記事を参考資料として作成しています。記事中の見解および考察は運動生理学・スポーツ科学等の知見に基づく筆者の見解であり、松本奈菜子選手本人、東邦銀行陸上競技部、および関係諸団体の見解や立場を示すものではありません。

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